off-the-shelf (ソフトウェアが既製品の) [機械学習・パターン認識]

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1. off-the-shelf とは [概要]

off-the-shelf とは「(ソフトウェアが)既製品の」という意味の形容詞である.この「off-the-shelf」は,機械学習・パターン認識の界隈では,昔からよく用いる英語であるので,この記事で紹介しておきたい.

2. IT業界やML界隈での「off-the-shelf」

一般的な意味でも「市販品の」という意味で用いる.それを,ソフトウェア業界の文脈の場合は「既製のものをもってきてそれを使用する・済ませる=自作したり車輪の再開発をしたりはしない」といったニュアンスでoff-the-shelfを用いる

つまりは,特定のアルゴリズムや機械学習モデルを,自社で内製化・自作したりするのではなく,(高価であったりもするが)商用で既に販売されている「off-the-shlef(既製品)」のものや,オープンソースで既にAPIやパッケージ化されているものを持ってきて使用するときに,「既によい感じで動くようにパッケージ化された既製品の」という意味で,off-the-shelfを使用する.

3. コンピュータビジョン・画像認識での使用例

コンピュータビジョン画像認識の研究論文や技術文章などでは,たとえば以下の例のような使い方(名詞との組み合わせ)で,off-the-shelf が使用される:

  • [例1]: used an off-the-shelf object detector (既製品の物体検出器を使用した)
  • [例2]: optimize the model with an off-the-shelf solver (既製のソルバを使用してモデルを最適化する)

例1のように「(学習済みの)画像認識モデルを使用する」というパターンは,論文等でよくみかけるものである.現代での使い方はこの「既製のモデル」という意味が主要である.

例2は,かつて深層学習以前に,線形問題や微分方程式の最適化や,SVMの学習などで,市販 or オープンソースのソルバを使う(=最適化アルゴリズムは自作しない)というパターンである.深層学習全盛の近年でも,学習アルゴリズムのあいまに(SGD学習以外の)最適化アルゴリズムを用いることは当然ながらある.そうした際にも,off-the-shelfのアルゴリズムを実装したパッケージを部分的に使用することとなる.

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