1. 画像のシアー (shear) とは [概要]
画像のシアー (shear) もしくは剪断(せん断)とは,画像のアフィン変換を用いて,画像中心を基準に,画像全体の矩形を,片辺だけスライドさせて平行四辺形へと変化させる,画像変換の1種である.
画像のアフィン変換の変換行列の一般系を確認したい場合は,以下の親記事を参考のこと:
シアー (Shear) | 矩形を平行四辺形に変換する.その際に,上辺をx軸方向に$sh_x$だけずらす.また,右辺はy軸方向に$sh_y$だけずらす. |
画像のシアー(図1)の実行は,同次座標系上で,以下にしめすシアー行列 (Shear Matrix)を,画像上の各点に適用することで,実現できる:
\[\begin{pmatrix} 1 & sh_x &0 \\ sh_y & 1 & 0 \\ 0 & 0 & 1 \end{pmatrix}\]
シアーは,矩形画像を平行四辺形化させる画像編集の目的でよく使用される.
画像変換を行いたい,バウンディングボックス上の頂点4つをそれぞれ単独に平行移動させる自由度変形も,画像編集ソフトでは当然行えるが,(頂点2つだけ動かす)シアーで済ませると,変換結果を平行四辺形に限定させることができる.
関連書籍
- ディジタル画像処理 [改訂第二版], 画像情報教育振興協会, 2020/2/26
- Pythonで学ぶ画像認識 (機械学習実践シリーズ), 田村 雅人, 中村 克行, インプレス, 2023.