CVML論文の検索キーワード

1. 概要

「コラム > CVML論文の検索キーワード」では,コンピュータビジョンや周辺分野の論文検索において役立つ,(主に)論文タイトルに組み込まれる「キーワード」を紹介する.

各記事では,ただ単にキーワードを紹介するのではなく,そのキーワードが登場した場合,どのような論文や提案になっているかの「論文パターン」について紹介する.よって,典型的なキーワードを知ることに加えて,「典型的な研究パターン(論文パターン)」を初めて知ったり,もしくはプロの方でもそれらのパターンを整理することに繋がると考えている.また,それによりGoogle Scholarや,自身の溜めているナレッジベースソフトウェア上で論文を(再)検索効率する能力の向上が期待できるはずである.

2. 記事リスト

  1. Revisit 論文 (再訪研究)
  2. Rethinking 論文 (再考研究)
  3. Generalized ○○ (一般化 ○○)
  4. in the wild (実環境の画像で)

3. このシリーズの狙いと活用法

私のように博士号を取得して以降,ある程度のあいだプロ研究者をしていると,2で示した各記事のキーワード(=研究パターン)は,自然に知っているものである.しかし,意外とこれらのパターンについて,整理されている記事や書籍は見たことがなかったので,こうしてシリーズ化を通して,私なりに体系化して提供することにした.

各記事で紹介する各研究パターン(たとえば2のRethinkingや3のGeneralizedなど)には,パターンごとに狙いが明確になっている.その狙いはキーワードにそのまま込められているので,タイトル中にキーワードを見付けた瞬間に,その研究がキーワードのパターンの狙いを意図した研究であることを,よく意識しながら論文を読むことが大切である. (※ タイトル文の意味をきちんと咀嚼しないまま論文を読むのは,非常によくないことである.タイトルは概要段落よりも短くした研究の内容・狙い・手法の要約である).

また,これらの典型的な研究パターンになれてくると,研究者の方は,自身でも狙って各パターンの研究を行い,より大きな貢献を各研究で産み出しやすくなるはずである.これらの典型パターンは,業界全体の進展に貢献しやすいパターンであるので,ぜひ読みこなせる・使いこなせるようになると良い.

注意点:使えるからといって,無意味に乱用するのは禁物

あなたご自身の独自性や強みを最大限に発揮するには,これらの典型パターンを,あまり考えず「乱用」することは禁物であることに注意されたい.

論文の総量が多い今のAI業界界隈では,不要に各論文パターンの成果が乱立しているケースも見受けられる.たとえば,特定の有名研究のrevisitrethinkを多くの論文がしすぎだったりするが,それはフォロワーの多い激戦区にいつのまにかハマっていて,あなたが「烏合の衆」になってしまいやすいことも意味する.安易に,人気アルゴリズムや人気ネットワーク構造の改善研究に手をだしてしまうと,独自色を強く出すのは簡単ではなく,ほとんど貢献が出せない.

ただ,逆に言うと,ハイレベルな研究者ほど,Rethinking論文やGeneralized論文などを発表することで,これまでの研究の流れを無意味にして,新しい画期的な方向を示してくる傾向もある.この意味では,「ここぞ」という急所を発見できると,各記事で紹介するキーワードが論文名に入った研究になりやすいとも言えるかもしれない.