サイトの動機:中間層の充実

1. 概要

私のコンピュータビジョン業界への達成目標は,中間層の充実です.ここでいう「中間層」とは,「初級者とトップ層のプロを除いた,ほとんどの方々」を指しています.「中間層」の皆様が,ハイレベルな人材に成長することで,自組織で主人公(リーダーシップ)をとれる人数をより増やすこと」はトップ層からしても底上げに繋がり,日本全体の強さに直結します,(逆に言うと,トップ層の人や,もうすぐその層の人達は私はケアしません).

用語集コラムの内容の内容を見ていただくとわかるように,単に研究力が高いだけではダメだと考えており,ちゃんとビジネスや応用としても着地点を出力できる「バランスの良い中級者」となっていただきたいです.よって,次の将来のマネージャー・リーダー層に,レベルアップしていただき中間層のレベルを太く,かつ幅広くしてほしいです.そのため,(1)研究開発の深さや詳しさ,または全体としての俯瞰レベル・独自性の出しかたの向上につながる用語集や,(2)マネジメント力やリーダーシップ,組織戦略やビジネス戦略などの,ソフトスキルの向上につながるコラムの執筆を目指していきます.

※ 2つのどちらかで,片方側のスキル向上だけを助けようとしているわけではないことに注意.両面的にサポートし,なおかつどちらかがトップレベルでも,もう片方も最低限こなせるようになってほしいイメージです.当然、2面ともハイレベルになっていけると理想的ではあります.

このサイトの構築や,学会運営活動などの「皆様の下支え的な活動」で,これまでも意識してきてきたのも「初心者・若手層の底上げ」や「中間層の皆様の,更なるパワーアップ支援」であり,そこはブレずに一貫しています

そういう私も以前は初心者レベルであったわけであり,これまで,師匠を始め,先人の研究者の先陣の方々に,大変お世話になってきました.また,後輩や部下・担当学生からも,色々学ばさせてもらいここまで,実績を出し,なおかつ成長もできています.それもあって,皆様のお返しの気持ちと,「次は自分が次の世代に貢献する番である」という志のもとで,このサイトおよび他の学習支援活動に取り組んでいきます.

学習支援活動や,コーチングなどの,育成を担当するときの私は,一番下のサポートの立場に回って,コツコツと働き・(特に)執筆・学習コンテンツ作成を行いながら,皆様がより良い方向へ進み,実力向上を支える活動へ,シフトしていきたいと考えています.

一方で,私もキャリア的に,得意な研究開発分野や領域はありますゆえ,実際の研究開発も引き続き行います.私のスキルセットや専門性で何かお役に立てそうなものがありましたら,研究のパートナーや,新人・中堅(=中間層)の方のご支援役としても,お仕事ご依頼してください.

2. 日本の国全体を見渡した時の課題意識

機械学習分野に限らないが,産業社会の現代において,強くて幸せな国には「多くの中間層が存在して,所得レベル・実力レベルのバランスが取れている」ことが欠かせません.

海外の各産業国のような,昔から根強い階級制度・社会は,日本には(見かけ上では)存在せず,一見すると,住んでいるところ・見た目なども,全員さほど違いがありません.これが,日本の戦後社会(特に高度経済成長期以降)の特徴です.実際,高度成長期中盤以降からバブルの頃は,日本人はいわゆる「一億総中流」の分布であったはずです(※ ある種の幻想もあったかもしれませんが).

それが,日本の平成の「失われた20年~30年」では,弱国化政治が一貫して行われてきたせいで,昭和では分厚かったはずの中間層が取り払われてしまい,2極化が激しい状況です.これは,グローバリズム系の国全てが抱える問題点でもあります.

日本でも,各ビジネス業界は,上流層と下流層に大きく2極化されてしまい,経済的には格差が偏っています.これは,バランスの意味では,よくないことです.2極化で,ピラミッド構造が強くなり過ぎると,少数のカースト上位層だけが,大半の富や機会を享受してしまう経済的の不均衡・不平等に陥りやすいです.

また,我々のような専門職・理工系でも,企業や組織のアンバランスは,各自のスキル・経験のアンバランスにつながってしまいます.2極化すると,その際に少数化した成功者・勝ち組側だけが,挑戦的で大きな課題に取組むことができ,そこにタッチできなかった人達との機会の差による結果や成長の差も激しくなります.また,上下の激しい格差は,イデオロギーやモラルの面で,2極化や対立思考を招きやすいという点でも当然問題があります.そもそも「グローバル化の過度な進行」が,現在の2極化の根本原因であるはずなので,日本以外も多くの国が抱える問題で、ローカル化・分散化とのバランスを良い均衡に戻していく必要があると思います.

私の場合は,ブレずにこれまでと同じく「中間層の充実」を目指した支援を行っていきます.それにより,近年の各種「アンバランスさ」の緩和に,なんとかまずはコンピュータビジョン業界にからでも貢献していきたいです.そのために,このサイトの構築や,書籍などの執筆,動画講義の公開なども行く予定です.つまり研究業・研究コンサルタントもお受けしますが,これまでに以上に「学習支援・コーチ業」にも,仕事の重点をシフトさせていきたいです.

3. 「学習支援」による自律性重視

私はこのサイトのような活動を「学習支援」と呼ぶようにしており,「教育」という呼び方はしないようにしていいます.「教育」という言いかたは,押し付けや洗脳・統制的なので,好きではないからです.

教育(Teaching)して無理やりできるようにするよりも,自発的で,探究的な「学習」の習慣が身に付くことが,独自の高い価値や使命に対して,最大限の力を発揮するために,重要と考えるからです.また,組織やグループ単位でも,社是やビジョンに「自分たちオリジナルの強み・めざしたいこと」を設定できるようになると思います.

皆様には,他人からおちてきた問題があって,それを解くのがうまいだけの,機械的人間にはなってほしくありません.人間や人間集団,企業は「自分たちならではのユニークなビジョン・方向性・強み」があって,プロとして大きく輝くことができると信じます.このサイトの「ガイドブック的設計で,個人の自由な探索・探求心を重視した構造」が示すように,私は,みなさん自分の行きたい方向へ各々進んでほしいと願っています.

3.1 学習支援も「万能ではない」とのスタンス.

とはいえ,私も「学習支援活動を頑張れば,日本・世界の社会問題の解決がうまく達成できる」という,綺麗な因果関係が成り立つとは思っていません.「現実はもっと複雑で,思う通りにはいかないことも多い」というのが私のスタンスです.そもそも,社会全体の変動には,政治や流行,裏ではたらく力など,さまざまな要因があります.従って,学習支援を頑張るだけで,全てが解決するわけではないとは考えています.ただ「万能ではない」と考えているだけで,結構な影響力が出せると思ってはいます.

たとえ,ハイレベルに成長した中間層が将来たくさん増えても,現代の資本主義的な「無理が積もってきた,近年の欧米的資本主義社会」では,解決できることにも限りがります.昔の封建社会や,古代の共認社会に,システムを多少回帰させるという手も解決につながるくらいかもしれません.

3.2 深層学習でも今後は,師匠なし,独学の成功者が増える?

個々人の成長に関してもも,コーチや師匠が個別に助けられる範囲にも限度があります.音楽や芸術など,全ての創造性勝負の度合いが強い仕事では,「習いごとに習いに行かなかった人がトッププロになってしまう」という側面はありがちなです.私の世代までは,博士に行って師匠に

一方で,過度のグローバル化や,Youtubeや電子書籍・動画コースサービスなどの発展により,「初級知識は誰にでも,(動画や記事で)手に入れられてしまう」ことから,中間層のレベルが横並びになりがちな時代でもあります.実際,他分野からAIエンジニアとして転職されてくるかたも多いです.

私も,未経験者やほとんど初歩しか経験したことない方を、半年くらいコーチングを担当したことがあります.そこで,彼らは意外と「深層学習はすぐできるようになる」ことを経験し,驚きました.情報系や電子機械系で,プログラミングや機械学習の基礎をやっている人の方の方が当然伸びは早いのですが,完全にML未経験だったり,文系からの転職組のひとでも,案外すぐに初歩的なことはできるようになって,驚くばかりです.SNSやネットで見ていた「未経験でしたがAI系の仕事で活躍しています」の話どおり,今の深層学習は参戦障壁が低いことを実感しています.

一方で,他人から学ぶのが嫌いな方もいるでしょう.教えてくれるひとや,コーチなしの状況でトッププロまでいくのはさすがに厳しいですが、前述のように,自学できる手段や媒体が劇的に増えたので,大学では未経験だったのに今は深層学習の仕事しているというひとは結構増えています.しかし,我流ほど怖いものはないと思うので,しかるべきレベルの上司や外部コーチに,ちゃんと教えてもらいながら中級〜上級レベルを目指すことをお進めします.

3.3 トップは育てようとするけど,中間層育てようとする人が少ない問題.

そして,日本社会では,トップ層の支援ばかり集中的におこなってしまい中間層から下の層への支援や強化を,中途半端にしがちであるという傾向があると,管理人は分析しています.これは,「戦後日本の根本的な問題」の1つです.大学のプロフェッサーとかになると,授業と研究室の板挟みで忙しすぎて,「あまりできないひと」や,「もう少し見れば伸びそうな人」までケアする時間が全然ないというのも原因かもしれません.

中間層が少ない偏った全体分布の業界だと,たくさん居る中間層による「正統な高い評価(=批評の目)が育たない」ことで,機能不全な状況にも陥りやすいです.この状況だと,声が大きいだけで(批評の土壌がないから)勝ってしまい,また,弱者をかえりみず見捨てて,自分だけ勝っているような人も増えてしまいがちです.

またこの業界や界隈の研究者の方々はご存知の通り,(私もそうですが),深層学習系各分野では大学にポスドクや助教としては入らずに、企業に就職する割合が高くなり,大学側の次の担い手がいなくなってる状況にあります(※ 2023年1月:最近ニュースで見ましたが,小学校なども応募者不足の状況らしく,国として危険水域にあると思います).私は,博士取得したのちは企業に行った側の初期メンバーの1人でもありますし,第3次AIブームの中で「もうすぐ大学側が応募不足になる」状況を予期できていたので,「今後は大学の外でも,大学院レベルのことを学べる場所が必要だ」という動機のもと,このサイトの構築からまず手をつけた側面もあります.

以上のようなことから,日本の国全体が「中流層の人口が多い」バランスを取り戻すことが,日本国の最優先課題であると考えている.ただし,バブルの頃のように,世界トップ企業だらけになってしまうと,また世界から嫌われる気がするので,そこそこの経済的な復活ができれば良いのではと個人的に思いますが.

ちなみに「遊び心や,時間や空間のゆとりが足りていない」という点も,人口が都市集中型である日本の課題として感じます.「モノ」から「コト」の世界になっていった現代だからこそ,日本ならではの美意識や,精神性,風習や価値観などでも,各々が日本社会や他国に貢献していけると良いと考える.よって,「風流」や「人情」の復活も地味にカギであると考えていますこれは、このサイトだけで達成可能なアクション項目ではないかもしれませんが.

4. 本当は,直接コーチングするサービスを提供したいのが…

コーチングは,やはり直接対面で対話的に行うのがベストです.サイトや,今後提供していく予定の動画講座や本など,「一方通行の情報提供」だと,対面性や相談解決性が確保できないので,貢献できる度合いに限界があります.

また,親ページでも述べたように,私のコーチングの方針は「即実践」です.ただお話するだけでなく,コーチング相手には,実際に研究開発してもらう中で,基礎と自律解決スキルを身に付けてもらうのがベストです.

とはいえ,「テキスト」や「教科書」など,やはり「学ぶ時の資料」として,私の理想とするのに近い書籍がないと,理想的な学習環境を提供しづらいジレンマでした.従って,まずはこのサイトの構築を通して,私独自の「サイト」の構築を充実させていくことから始めています.サイトを執筆していくなかで,私自身の各知識への理解度を高めていき,徐々に,動画講義・電子書籍などの提供も始めたいです.